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経済産業委員会議事録 2012年7月25日

――中山委員長 木村たけつか君。

――木村 木村たけつかでございます。

 中山委員長を初め理事の先生方に、発言の機会をいただきましたことに心から感謝申し上げます。

 本日は、日本銀行に対しまして、マクロ経済政策、そして消費税増税に対する中小企業への影響についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 我が国経済は、過去十年以上にわたりデフレから脱却できない状況が続いておりますが、この間、実質GDPは八%増加したものの、平成二十三年度の名目GDPは約四百七十兆円、十年前の水準である約五百二兆円に比べ約六%減少いたしております。消費者物価指数も、短期間上昇する局面はあったものの、それ以外の期間は下落傾向であります。

 このような長期にわたるデフレの背景には、需要が供給能力を下回る需給ギャップの存在、そして企業や消費者の成長期待の低下、デフレ予想の固定化といった要因がございます。デフレからの脱却を早期に実現するためには、適切なマクロ経済政策運営に加え、機を捉えた果敢な金融政策を断行することが不可欠であると考えております。

 一方、政府、日銀の金融政策に目を転じますと、対策を後追いで小出しにするばかりで、抜本的な対策を講じようとしていないのが現状であります。政府は、このたび、デフレ脱却等経済状況検討会議において第一次報告をまとめ、先般、日本再生戦略の原案をまとめられました。その中身を検証いたしますと、日銀の金融政策については、日本銀行は、当面、消費者物価上昇率一%をめどとして、強力に金融緩和を推進することとしている、そして、政府は、日銀に対して、デフレ脱却が確実となるまで強力な金融緩和を継続するよう期待するとのみ記載をしております。

 政府は、デフレ脱却のために、日銀と一丸となって取り組まなければならないわけでありますが、期待するとは余りにも無責任なスタンスではないでしょうか。

 そもそも、一%という数字が余りに低い目標であると考えます。国際的に見て二%程度が一般的であり、それだけで円高への誘導になってしまうわけでありますが、国際協調と政府はよく使われますが、まさにこの点においては国際水準に合わせるべきではないかと私は考えております。我が国だけが低い水準でとどまっていることは、市場に足元を見透かされ、効果が余り上がらないというふうに私は思います。

 また、政府は、デフレ脱却が喫緊の課題と強調しながらも、日銀に対する金融政策の注文がいかにも迫力不足であります。

 この際、政府、日銀は、デフレ解消のために、マネタリーベースの増大、そして日銀の債券買いオペの実施、二%のインフレ目標の設定などを実行に移すべきであると私は考えますが、日銀の御見解をお伺いいたします。

――内田参考人 お答え申し上げます。

 日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとで持続的成長経路に復帰することが極めて重要な課題であるというふうに認識しております。

 こうした認識のもとで、日本銀行は、今御指摘にございましたとおり、当面、CPI一%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と資産買い入れ等の基金の積み上げを着実に行うことを通じまして、強力な金融緩和を間断なく推進していく方針でございます。

 その上で、今御指摘ございました債券買いオペの実施について申し上げますと、日本銀行は、包括緩和の枠組みのもとにおきまして、長目の金利あるいは各種のリスクプレミアムに働きかける目的で、さまざまな資産を積極的に買い入れております。こうした資産買い入れ等の基金の残高は七月二十日現在で五十三・五兆円に達しておりまして、日本銀行といたしましては、来年六月末の七十兆円までこれを積み上げていくという予定でございます。このような資産の買い入れは、企業の方々にとりまして、資金調達コストの低下などを通じまして、金融面から経済を強力に後押していくというふうに考えております。

 二つ目に御指摘ございましたマネタリーベースの増大でございますけれども、金融緩和の効果につきましては、マネタリーベースといった量的緩和の指標というよりも、むしろ、実際に企業の方々が資金調達する際の環境によって判断するということが重要であるというふうに思います。ただ、その上で申し上げますと、現在、マネタリーベースの規模は百二十兆円に達しておりまして、GDP対比で二五%ということで、ほかの国、例えば米国あるいは欧州よりも高い水準になっております。

 最後に、二%の目標を設定すべきだという御指摘でございますけれども、物価が安定していると日本の家計あるいは企業が考える物価上昇率は、欧米に比べまして幾分低いというふうに判断されます。こうした国民の物価観から離れて、一気にこれまで余り経験のない物価上昇率を目指そうとした場合には、家計、企業がかえって大きな不確実性に直面する可能性があるというふうに考えております。日本銀行は、そのような日本経済の特徴を踏まえまして、当面、一%を目指すということにしているわけでございます。

 ただ、その上で申し上げますと、より長い目で見た場合には、中長期的な物価安定のめどというのは二%以下のプラスとある程度幅を持って見ておくことが適当と思っております。これは、先行き、日本経済の構造変化あるいは国際的な経済環境などの変化によりまして、中長期的に持続可能な物価安定と整合的な物価上昇率が変化していく可能性もあるということを意識しているためでございます。例えば、今後、成長力強化への取り組みの成果が上がっていった場合などには、持続可能な物価上昇率が次第に高まっていくという可能性もあるというふうに考えております。

 日本銀行は、こうした可能性も十分念頭に置いて、目指すべき物価上昇率について、原則としてほぼ一年ごとに点検していくというふうに考えております。

 以上でございます。

――木村 現在、このような状況において、これらの諸課題の根本治療として、さきに申し上げた物価目標の導入や雇用安定の目的化などを柱とする日銀法改正議論が高まっておりますけれども、各国中央銀行の政策目標の比較をしてみますと、例えばアメリカのFRBには、金融政策の目標として、物価の安定のほかに雇用の最大化が、各行政府など政府部門全体の政策目標として掲げられているところであります。

 我が国においても、現下の厳しい経済社会状況において特に力を注がなければならない政策の一つは、雇用政策であります。完全失業率は、本年五月において、前月比〇・二ポイント低下したものの四・四%と引き続き厳しい水準で推移をいたしております。また、新卒者、若年者の就職難も依然深刻であり、十五から二十四歳層の本年五月の完全失業率は八・五%と高水準が続いております。

 この際、私は、日銀法を改正してでも、日銀の政策目標として、物価の安定として数値目標を導入することに加えて、グローバルスタンダードに合わせて雇用の最大化も加えるべきだと考えておりますが、財務省当局の御見解をお伺いいたします。

――五十嵐副大臣 お答えいたします。

 実は、住専国会というのがございましたけれども、あのときに、財務当局の都合で金融政策をかなり決め過ぎてきたということで、日銀の独立性を高めようという議論を私どもはいたしまして、私はさきがけの政調会長代理でしたけれども、路線を敷いて、その後、枝野さんたちがきちんとその実現を図られたという経緯がございます。

 ですから、物事にはプラスとマイナスといろいろあって、今のところ日銀は、政府と協調しながら、独立性を保つことによって、私は、金融政策運営全般についてかなり国民の期待に応えられるものをおやりいただいている、こう評価をいたしております。

 その中で、数値目標のお話がありましたけれども、これは、イギリス政府は政府が数値目標を決めていますけれども、ほかは、話し合ったり、あるいは中央銀行がやはり政策の数値目標を決めているというのがスタンダードだとむしろ思います。

 それから、雇用は大切だというのはおっしゃるとおりだと思いますが、雇用の最大化というのは、これをはっきりと掲げているのはやはりFRBだけなんですね。だから、グローバルスタンダードとは言いがたいと思います。しかも、事情があります。それは、復員軍人の雇用が問題になったとき、そのときに、FRBとしてその問題を含めた表現で入れた。

 日銀も雇用は最大限に見ていると思っております。現在の日銀法の中には、日銀の金融政策による物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資するということを理念としておりますので、この国民経済の健全な発展の中には、当然ながら雇用の安定というものが十二分に意識されていると考えております。

――木村 財金分離の原則、そして通貨の番人として物価の安定性を担保する、このことに対しては私も評価するところであります。しかし、世界各国がこれだけ中央銀行に対してコントロールをし、弾力的に金融政策を行っていることに対して、我が国が決してできないことはないと思っておりますので、どうかその点に関して御考慮いただければと思っています。

 また、人事の選任基準、任期の見直しも図るべきではないかと私は思っております。もちろん、日銀の独立性、金融政策の連続性は必要であると思いますが、しかし、現在の困難な状況に対応するためには、国民の声、市場の対応に機敏かつ適切に政策決定できるよう、民主的で弾力的な制度を確保することが重要であると思っております。

 選任基準の見直しや、場合によっては政府による日銀役員の解任権などの導入を検討するべきだと考えますが、財務省の御見解をお伺いいたします。

――五十嵐副大臣 日銀の独立性の問題と深くかかわる問題でございますけれども、日銀の役員の選任に関しましては、現行の日銀法において、「総裁及び副総裁は、両議院の同意を得て、内閣が任命する。」という規定がございまして、これに基づいて適正に行われていると思います。また、審議委員については、特に日銀法の第二十三条の二項において、「経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験のある者のうちから、両議院の同意を得て、内閣が任命する。」となっております。

 そういう意味では、議会のチェックが入っている、そして、それによって選任基準は一定の水準の担保を得ている、こう思っておりまして、現時点でこれを変えなければいけないという理由は特にはないと思っておりますので、慎重に検討する必要がある、こう思っております。

――木村 また議論させていただきたいと思います。副大臣また内田企画局長さん、ありがとうございました。

 それでは、価格転嫁についてお伺いをさせていただきたいと思っています。

 中小企業は、企業数約四百万社以上、我が国の雇用の七割を占めておりますが、地域経済、日本経済の柱となる存在であります。今回の消費税増税でその大事な中小企業の活力が阻害されてしまうことが危惧をされているわけであります。

 私は選挙区内を歩かせていただきますと、中小企業経営者の皆さん方からは、もうこれ以上、消費税増税がされた際には、自腹を切ってお納めになっていらっしゃるわけでありますが、それが倍額になって、とてもとても払い切れない、したがって廃業せざるを得ない、むしろ景気をよくして仕事を回してほしい、こうした声を賜っているところであります。何よりも、このデフレの経済不況の中において増税を行えば、経済が悪化をし、さらに税収が下がる、このことは経済学上も明々白々でありますので、私はいかがなものかと思っております。

 現在の商慣行において税込み発注であり、残念ながら、中小零細企業は大企業と比べて弱い立場に置かれているため、下請、孫請である中小零細事業者は、発注者が支払うべき消費税分を実質的に支払い、さらに、実際支払う消費税と合わせて二重の負担をこうむっているわけでありますが、そのうち、ほとんどが自腹で負担しているのが実態であります。なぜなら、消費税の納税義務者は消費者ではなく事業者とされており、一年間に企業が生み出した付加価値に対して課税される直接税であるからであります。

 したがって、赤字企業であっても納税義務が生じ、消費税の課税対象は粗利益でありますから、人件費を差し引くことができません。私の墨田区、荒川区内の中小企業経営者の皆さんも、社員の生活を保障するために苦労して毎月お給料を支払っておられますが、そのために赤字になる企業が多うございます。それでも消費税はかかるわけでありますから、なかなか納めたくても納め切れない、あるいは滞納もふえていく、これが現状であるわけであります。

 そして、表示方式についてでありますが、今日、総額表示制度となっておりますけれども、せめて外税方式にすることによって、中小企業が追加的な税負担をこうむることが軽減されるのではないかと私は考えます。なぜそれができないのか、枝野経産大臣に御見解をお伺いしたいと思います。

――中根大臣政務官 表示について、経産省の見解をお答え申し上げたいと思います。

 価格表示のあり方については、民主党のワーキングチームにおける各団体のヒアリングにおいて、外税表示の方が転嫁がしやすいとの声がある一方で、価格表示と価格転嫁には直接の関係はないので転嫁対策を徹底して行うことが重要、あるいは消費者の利便性等の観点から総額表示を維持すべきといったさまざまな意見があったと聞いております。

 これらの意見を踏まえ、ワーキングチームにおいて取りまとめられた報告書において、価格表示のあり方については、消費者の利便性の確保や制度の変更が事業者や小売現場に与える混乱を回避するという観点等を踏まえると、現行の総額表示制度を維持することが望ましいが、一方で、業界団体等が円滑な価格転嫁を行うため、総額の表示に加えて税額を明示するなどの統一基準を策定することが独禁法に違反しないことを明確化するため、必要に応じて法的措置を講ずる、事業者による値札張りかえなどの事務負担に配慮し、書籍における価格表示の例、これは書籍本体ではなく書籍に挟んである短冊に総額を表示する方法でございますけれども、こういったことなどを参考にした総額表示義務の弾力的な運用などの方策も示されております。

 政府としては、このような御提言を踏まえ、消費税の円滑かつ適正な転嫁を実現するため、十分な転嫁対策の実施に向け、具体策の検討を進めてまいりたいと考えております。

 以上です。

――木村 私もその小委員会に参画をさせていただいて議論を拝聴させていただきましたが、中には端数処理をされていらっしゃる事業者のお話も賜りました。

 この消費税が有する税制の特性でありますけれども、逆進性を伴い、そして転嫁対策がなかなかできていない、この問題が最もしわ寄せが来るのが最終事業者である中小零細事業者であるわけでありますが、そこの負担が重くのしかかることに対する経産省としての御見解を改めてお伺いしたいと思います。

――中根大臣政務官 今、木村委員御指摘のようなことも踏まえて、中小企業者に不当なしわ寄せが行かないように、これは最大限の配慮を行っていきたいと考えております。

――木村 それでは、赤字であっても納税をしなければならない中小企業者が真面目に消費税を納めているにもかかわらず、一方では、輸出大企業は消費税の還付を受けていらっしゃる、年間で約三兆円にも上る巨額の還付金を受ける仕組みになっているわけでありますが、私は余りにも極めて不公平な税制であると言わざるを得ないと思っておりますが、この点に対して、経産省としての御見解をお聞かせいただきたいと思います。

――中根大臣政務官 お答えを申し上げます。

 輸出取引については消費税を免税として、仕入れに係る消費税額を還付するという仕組みは、国際的に共通しているルールとなっております。輸出企業は消費税の還付を受けているが、これは、輸出は免税である一方、仕入れの際に支払った消費税分を控除した結果として還付が生じているものにすぎず、輸出企業が得をしているものではないと考えておるところでございます。

――木村 広くあまねく消費税が公平な税制だと喧伝をされているわけでありますが、小さいお子さんからお年寄りまでどなたにでも一定に課税をされて、徴収をする側にとっては大変都合のいい制度だと思います。

 しかし、最も所得の低い、あるいは最終事業者である中小零細企業の皆様方が御負担をし、そして、大企業が輸出をして、それによって、国際的なルールだからといって全て還付をされる。このことに対して、やはり中小企業の皆様方は大変な不公平感を抱いているわけであります。これを説得するには、それは一定の対応をしなければなかなか説得できるものじゃない。

 この点に関して、経産省の御見解をお伺いしたいと思います。

――枝野国務大臣 輸出企業だからといって、大企業だけに優遇をしているということではありません。そもそも優遇ではないということは今政務官の方から御説明したとおりでございますし、まさに、輸出するときに消費税がかからないというか取れないのにもかかわらず仕入れのときの消費税を負担するということになれば、今や輸出は、中小零細企業もさまざまな形で輸出展開をしています。これからもっともっとふえていかなければならない、それは後押しをしています。

 大企業ならもしかすると、担税力があって、そういった形で、本来負担しなくていい消費税を負担させるということもあるかもしれませんが、中小零細企業が本来負担すべきでない消費税を負担しなければならないということでは、むしろ中小零細企業の海外展開ということを阻害する要因にもなるということは考慮しなければいけないと思います。

――木村 大臣がおっしゃるように、中小企業がこれから海外展開をされることも私は望むところでありますが、それだけの担税力のある元気な中小企業の皆さんにとっては、これはさほど大きな問題ではないと思います。しかし、現在の日本の商慣行においては税込み発注をされていて、なかなかそれに対して異を唱えることができない、これが現状でありますので、その点に関しても御考慮いただきたいと思っております。

 消費税の増税分の価格転嫁が大変困難である、そして、政府・与党が転嫁対策として、公正取引委員会や中小企業庁に時限的に大幅にいわゆる転嫁Gメンを設置すると打ち出しておられますが、中小企業数が四百万社を超える中において、私は、物理的にも、そして商慣行の観点からしても、なかなかこれは効果が期待できないと思っております。そもそも抜本的な対策を打ち出すべきであると思っておりますが、経産省の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

――中根大臣政務官 消費税の引き上げに当たっては、中小企業の方々の価格転嫁対策に万全を期す必要があるということは今までも申し上げたとおりでございますが、特に、取引上優越した地位にある企業が消費税の転嫁を拒否する等の行為については、被害を受けた中小企業の方々からの告発が期待しにくいため、情報提供を受け身的に待つだけではなく、積極的な監視、取り締まりを行うための体制を整備することが必要不可欠であると考えております。

 このような考え方のもと、五月三十一日に取りまとめられた中間整理では、積極的に独占禁止法や下請法上の違反行為等の情報収集、調査を実施するための時限的な人員の拡大など体制整備を図るとの方針を示したところでございます。

 また、価格転嫁対策への対応に当たっては、監視、検査体制の強化に加え、親事業者及び下請事業者に対する特別調査を過去の消費税導入時、引き上げ時を大幅に上回る規模で実施する、税率引き上げの半年以上前から事業者に対する要請文を発出するなど、優越的地位の濫用を厳しく監視する姿勢を示すための取り組みを早期に実施するなどが中間整理において示されているところでございます。

 さらに、先般の三党合意に基づく修正案において、独占禁止法や下請法の特例に係る必要な法制上の措置を講ずる旨の規定が追加をされているところでございます。

 今回の消費税率の引き上げが二段階での引き上げを予定しているという事情を踏まえ、転嫁対策は、政府全体として、過去の消費税導入時及び引き上げ時を上回る対策を講じ、万全を期す必要があると考えております。経産省としても、中間整理において示された方針などに基づき、中小企業の方々の取引価格に適正に消費税が転嫁されるよう万全の対策を講じてまいります。

――木村 憲政史上始まって以来の十三兆五千億円の大増税になるわけでありますから、これまでの三%、五%とは違って未体験ゾーンの一〇%ということでありますので、経済に対する影響、中小零細に対する影響ははかり知れないと思っておりますので、どうか万全を期していただきたいと思っておりますし、それ以前に、私は、デフレから脱却をすることがまず先決であるということをお訴えさせていただきたいと思います。

 次に、事務負担の拡大についてでありますが、中根政務官おっしゃられましたとおり、二段階の引き上げに伴う事務負担に対して、人員的にも余裕のない中小企業にとっては大変な御負担であり、御不安を抱かれておられます。事務負担軽減のためのシステム導入が検討されるやに伺っておりますけれども、価格転嫁できないという観点からだけでなく、中小企業の厳しい現状を鑑みますと、免税点制度の対象の引き上げや、みなし課税制度の対象の引き上げも検討するべきだと私は考えております。

 中小企業は、日本経済、地域社会を支える、なくてはならない存在であると政府がおっしゃっておられるのであれば、私はぜひその点に関しても考慮するべきだと思いますが、経産省の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

――枝野国務大臣 御指摘のとおり、消費税に関する事務というのはなかなか軽いものではありませんから、これまでも免税点制度や簡易課税制度を設けて中小企業の事務負担への配慮をしてきたところでございます。

 今回、税率は引き上げになりますが、二段階あるということで、その作業を二回やっていただかなきゃならないということはあるわけですけれども、その事務負担をどの程度の規模の皆さん以上はお願いをするのかという趣旨については、税率の引き上げの数字そのものが直接影響するものではないというふうに思っておりますので、従来の制度を維持するということが政府の方針でございます。

 ただ、先ほど来御指摘いただいておりますとおり、転嫁がしにくいという中小企業の実態、それからもう一つは、消費税が経済に与える影響ということについて、専門家の間でも異論があるというか両説あって、直前の駆け込み需要と直後の落ち込みをならせば消費税の税率が上がることそのものが実体経済に影響を与えるものではない、私はそういう見解が正しいというふうに思っておりますが、まさに、この駆け込み需要とその直後の反動の落ち込みという大きな変動は、大きな企業であればそれを織り込んださまざまな経営をしていくことができますが、中小零細企業、規模が小さくなるほど対応が困難であるという側面があって、その点に配慮しなければならないというふうには思っております。

 これらについては、今後も、予算や税制、そして何よりも中小零細企業の体力をつける、底力をつける、あるいは引き出すということが重要だと思っておりまして、昨日、"ちいさな企業"未来会議を踏まえた政策の具体化のための審議会の部会もスタートさせました。こういった審議を急いでいただくことで、中小零細企業の底力の底上げをしていきたいと思っております。

――木村 また議論させていただきたいと思います。ありがとうございました。

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